
こんにちは、株式会社LEGAREA代表の三坂です。
SES業界では、毎年のように企業が生まれ、そして静かに消えていきます。
倒産は突然のように見えますが、実際には必ず前兆があります。
そして、その前兆に一番早く気づけるのは、
経営者ではなく、現場で働くエンジニアです。
日々の稼働の中で感じる小さな違和感は、
企業が崩れ始めたときに最初に現れるひび割れです。
今日は、「SES企業が倒産する前に必ず現れる3つの危険信号」について話します。
目次
- なぜSES企業は倒産するのか ─ 業界構造が抱える宿命
- 危険信号①|給与が5日以上遅れる
- 危険信号②|「還元率95%」を謳う企業
- 危険信号③|営業・管理職が短期間で辞めていく
- まとめ
なぜSES企業は倒産するのか
─ 業界構造が抱える宿命
現場を知っている人ならわかると思いますが、
SES企業は構造的にキャッシュフローが厳しい業態です。
- 粗利は20〜40%
- エンジニアが1人抜けるだけで月100万円以上の売上が消える
- 給与・社保・消費税などの固定費は毎月必ず発生
- 元請けからの入金は60日後、給与は15日後
→ この時間差が資金繰りを直撃する
私が見てきた倒産の8割は、
「採用で人を増やしすぎて、回収が間に合わなかった」というパターンです。
急成長は外から見ると華やかですが、
裏側ではキャッシュが追いつかず、静かに崩れていきます。
さらに、偽装請負が発覚した瞬間に過去分の給与負担が一気にのしかかり、
それだけで倒れる企業もあります。
この構造を理解しておくと、次に話す危険信号がより鮮明に見えてきます。
危険信号①|給与が5日以上遅れる
給与遅延は、倒産の最初のサインです。
給与が遅れるということは、「すでに現金がない」ということです。
SESは「今月の営業で今月の給与を払う」モデルなので、
営業が少し落ちただけで給与に影響が出ます。
特に危険なのは以下のケース:
- 連絡なしで給与が遅れる
- GW・お盆・年末年始など、資金繰りが厳しい時期に遅延
- 「来月には改善します」と毎月言われる
給与遅延は法的責任を伴います。
それでも払えないということは、本当に資金が尽きているということです。
危険信号②|「還元率95%」を謳う企業
「還元率95%」という言葉は魅力的に聞こえますが、
給与だけを原価にして計算しているため数字が大きく見えるだけ。
本来の原価には、
- 社会保険
- 有給
- 福利厚生
- 採用費
- 管理コスト
などが含まれます。
これらを正しく計算すると、還元率の上限は 75%前後。
つまり、還元率95%という数字は、
企業の利益が極端に薄く、少しの売上減で倒れやすい構造
であることを意味します。
業界平均は 60〜70%程度。
この基準を知っているだけで、危険な企業を避けられます。
危険信号③|営業・管理職が短期間で辞めていく
営業や管理職は、
会社の数字や顧客の反応、社内の動きを日々把握しているポジションです。
その彼らが短期間で辞めていくということは、
内部で何かが起きている可能性が高いです。
よくあるパターン:
- 中途採用の募集が急に増える
- 求人内容が頻繁に変わる
人が辞める会社は、会社の方が先に壊れているのです。
まとめ
SES企業の倒産は、突然起きるわけではありません。
必ず前兆があります。
- 給与が安定している企業は、営業が強い
- 営業が強い企業は、案件が安定している
- 案件が安定している企業では、エンジニアのキャリアも安定する
この3つの危険信号を知っているだけで、
あなたの10年後のキャリアは大きく変わります。
SES業界を理解する最後のピースは、企業経営のリアルです。
そこに気づけるエンジニアは、
もう次のステージへ進む準備ができています。
ではまた次回。

