こんにちは、代表の三坂です。
最近、面談を受けた社員から「この単価って妥当なんですかね?」という質問を受けました。
気持ちは痛いほど分かります。僕も若い頃は、自分の市場価値がいくらなのか分からずに、もやもやしていました。
SESという世界は、会社が提示する給与とは別に、市場が評価する価値が明確に存在します。
しかもそれは、感覚ではなく、数字で見ることができるんです。
今日は、そんなSESにおける市場価値の見極め方について、具体的にお話ししてみようと思います。
【第1章】そもそも市場価値ってどういう意味?
SESのような常駐型エンジニアは、会社からの評価と市場からの評価がズレることがよくあります。
- 会社は給与テーブルで判断する
- 市場はスキルと経験で単価をつける
例えば、月30万円もらってる人でも、
エージェント経由では月65万円で成約できるケースなんてザラです。
つまり、あなたが受け取っている給料=あなたの価値とは限らない。
「自分の価値は、誰がどう見て、いくら出してくれるか?」
これを冷静に把握することが、キャリア選択の第一歩なんです。
【第2章】市場価値を“数字”で把握する3つの視点
では実際に、どうやって自分の価値を数字で見ていくのか?
僕はいつも、次の3つの観点から整理しています。
✅① 技術構成と経験年数
たとえば以下のように見ていきます。
- Java:5年(Spring Bootメイン)
- Vue.js:1年(保守中心)
- AWS:設計2年/構築1年(EC2/S3)
- Docker:趣味レベル
- GitHub運用:日常的に使用
この時点で、市場ではおおよそ 70~75万円台の案件に手が届くレンジにいます。
とくに「AWS+Java」があると、業界的に引き合いは強い印象ですね。
✅② 現場での役割と立ち位置
技術だけじゃなく、「何を任されていたか?」も評価対象です。
- 設計書を自分で書いていたか?
- 顧客折衝や要件定義の経験はあるか?
- チームを見ていたか?(リーダー経験)
これらが加わると、5〜10万円単価が跳ね上がることも普通にあります。
特に、コミュニケーションが取れる技術者は、SESでは本当に重宝されます。
✅③ 商流と案件の粒感
意外と忘れがちですが、単価に最も影響するのが「商流」です。
- 元請け直:高単価(80〜100万)
- 二次請け:中単価(60〜80万)
- 三次請け以下:低単価(40〜60万)
また、案件の「粒感」
たとえば「金融機関のレガシー刷新」や「自社プロダクトのAPI設計」など、
事業に近い場所での開発経験は、次の案件でかなり武器になります。
【第3章】市場価値を測る具体的ステップ
ではここからは、実際にどうやって自分の市場価値を測っていくのか。
おすすめのステップを共有します。
STEP1:スキルシートを今の言葉で書き直す
多くのエンジニアがやっていないのがこれ。
- 現場でやってることは変わらない
- でもトレンド技術に置き換えれば言い方が変わる
たとえば、シェルでバッチ書いてましたではなく、
運用設計に基づいたバッチ設計と保守運用(Shell)のように、評価される言葉に変換するだけで、市場価値が上がります。
STEP2:複数の営業やエージェントに聞く
自分で単価を決めるのではなく、市場がどう見るか?を聞くのが一番手っ取り早いです。
- 社内営業
- 外部のフリーランスエージェント
- 現場に詳しいキャリアアドバイザー
3人くらいから話を聞けば、単価の中央値が見えてくると思います。
STEP3:仮想の案件マッチングをしてみる
本気で転職する必要はありません。
今の自分なら、どんな案件があるのか?をシミュレーションするだけでもOKです。
- フリーランス系のマッチングサイトを見る
- WantedlyやGreenなどで「業務委託」「SES」で検索
- 過去に声をかけられた営業に話を聞く
実際に営業が「●●さんなら65〜70万でいけると思います」と言ってくれると、
「お、そんな価値あるんだ」と自信になりますよね。
【まとめ】「金額」は、あなたを守るひとつの武器になる
自分の価値がわからないって、思ったよりもしんどいです。ボディブローのように効いてきます。
だからこそ、今の自分の市場価値を数字で持っておくことは、心の安定にも、交渉の武器にもなります。
SESは、スキル・立ち位置・現場によって価値が大きく上下する世界。
でも逆に言えば、ちゃんと整理すれば、ちゃんと上がる世界でもあります。
いまの自分を正しく知ること。
未来の自分に対して、選べるカードを増やしていくこと。
そのための地図が「市場価値」という数字だと思っています。
ぜひ、面倒がらずに一度棚卸ししてみてください。
思っているより、あなたには価値があるかもしれません。