「技術があるのに、契約終了になった彼」
長く業界にいるとたまにこんな出来事に出会います。
技術は間違いなくある。
コードも早いし、レビューでも指摘が少ない。
なのに、次の更新が来ない。
「えっ、なんで彼が契約終了?」
その理由は予算編成もありやむを得ないケースもあるが、
意外と多いケースが、
“現場での空気感”が悪かった。ということ
一方で、
まだ経験も浅く、コードもぎこちない新人が、
現場で「感じいいよね」「フォローしたくなるよね」と言われずっと延長されてる。
この差はなんなのか?
答えは明確です。「人間力」です。
人間力が“SESで最もコスパのいいスキル”である理由
SES業界の現場では、評価軸が“実力だけ”ではないという構造があります。
なぜなら、クライアント側の本音はこうだからです。
「スキルがあっても扱いづらい人はいらない」
「多少できなくても、素直で空気読める人がいい」
つまり、SESの現場は共存できる人かどうかが最優先される世界なんです。
よく考えれば当たり前ジャンって話ですが。
SESは「開発チームの一員」として“途中から”入る働き方。
- チームのカルチャーに馴染めるか?
- 報連相はきちんとできるか?
- 担当領域外のことも協力するか?
こういった技術外のふるまいで評価が大きく左右される。
逆に言えば、人間力を持ってるだけで評価は底上げされ、多少の技術不足はカバーされる。
これは、SESという構造だからこその抜け道であり、裏ワザです。
現場で評価される「人間力」5選
✅1. 素直さとレスポンスの早さ
素直さは、SESにおける最強スキルのひとつです。
- 指摘に対して「ありがとうございます」「修正します」と即反応する
- 理不尽な依頼にも「一旦受ける」余白を持ってる
- 感情をぶつけず、落ち着いて受け止められる
SESでは、信頼を得るにはスキルより早い謝罪です。
完璧な成果物よりも、反応の良さ・安心感が評価されます。
✅2. 報連相の精度と頻度
技術力があっても、黙って勝手に進める人は現場では嫌われます。
逆に、経験が浅くても「早めに報告・相談してくれる人」は歓迎されます。
報連相のコツは:
- 「今どうなってるか」より「次どうするか」を添える
- 進捗だけでなく、「判断に迷ってること」も共有
- 質問するときは「選択肢を用意しておく」と好感度が高い
PMやPLは、報連相しやすい部下を重宝します。
それだけで評価が上がり、契約更新の対象になります。
✅3. チームの空気を読む力
これができる人は、一発で“延長確定”になります。
- 会話のトーンに合わせて返す
- みんなが忙しいときは雑談を控える
- リーダーの機嫌やストレス具合をさりげなく読む
一見くだらないように見えるかもしれませんが、
「空気が読めるかどうか」で、手間のかからない人かどうかが判断される。
特に、案件初期の“観察力”が大事です。
入りたて1週間は、積極性より“空気の解像度”を上げることに集中しましょう。
✅4. 巻き込みと協力の姿勢
自分のタスクだけをきっちり終える人よりも、
「他に困ってる人いませんか?」と動ける人が重宝されます。
- 新人のフォロー
- テスト項目の補完
- ドキュメントの整備
これらは地味な作業ですが、SESの現場では印象の通貨として積み重なります。
「自分のことだけ考えてる人」と
「周囲に貢献できる人」では、長期的な契約数がまったく変わってきます。
✅5. 謙虚な自信
現場で一番信頼されるのは、
「自信があるけど謙虚な人」です。
- 質問されたら丁寧に答える
- 間違っていたら即認める
- 自慢せず、評価は他人に任せる
「自信満々だけどマウント取らない」人は、上司にも後輩にも愛されます。
この人格的バランスが取れている人は、現場に呼ばれ続ける常連エンジニアになります。
では、“人間力”ってどう鍛えればいいのか?
人間力と聞くと、生まれ持った性格とか、育ちの問題のように思われがちですが、
これはスキルです。鍛えられます。
以下の3つの習慣を持つだけで、数ヶ月で現場評価は激変します。
① すべてのSlack返信に「+α」の情報を添える
NG:「承知しました」
OK:「承知しました。今日中に共有いたします。何かあればすぐ連絡します」
この「安心感」の積み重ねが、一緒に働きたい人になります。
② 月1回、誰かの役に立つ+1タスクをやる
- ドキュメントを整備する
- ナレッジをまとめる
- 会議の議事録を自発的に書く
「目立たない努力」が、人間力という評価に変わっていく瞬間です。
「技術があるのに契約終了」は、人間力が足りてない可能性もある
技術はもちろん大事です。
でも、SESにおいては人間力が評価される局面が圧倒的に多い。
理由は簡単。
- 一緒に働くのが気持ちいい人がいい
- 教えたくなる人に育ってほしい
- 手間がかからない人をチームに入れたい
SESとは人に選ばれる働き方です。
だからこそ、技術だけでは足りない。
人間力をスキルとして育て、武器にしてください。
あなたの人柄が、「次の契約」の最大の武器になります。