こんにちは、株式会社LEGAREA代表の三坂です。
これまでSES業界に関して、
還元率や業界の裏側などを基本的に発信してきましたが、
今日はSES業界のしんどいところを正面から向き合って話そうと思います。
どんな仕事も良い面大変な面がありますが、SESも同様で、
人によってはものすごく辛い業界という見方もできます。
今日は、SES常駐がなぜつらいのか、
そしてどう乗り越えるのかについて、現場の実感をもとに話します。
目次
- SES常駐がつらい理由①:環境変化への適応ストレス
- SES常駐がつらい理由②:評価が見えない・伝わらない
- SES常駐がつらい理由③:現場を出たくても出られない心理
- つらさを乗り越える現実的な対策:最初の3ヶ月を耐える
- つらさを乗り越える現実的な対策:主体性を持つ
- つらさの本質は「続けることの価値が見えない」こと
- まとめ
SES常駐がつらい理由①:環境変化への適応ストレス
新しい現場に配属されたとき、最初の3ヶ月は本当に疲れます。
これは誰もが経験することですが、SES常駐の場合、
その負荷が自社オフィスで働くときとは比較にならないです。
理由は単純で、新しいシステム、新しいルール、新しい人間関係を
同時に学ぶ必要があるからです。
自社なら『この会社のやり方はこう』と最初に教えてもらえますが、
SES常駐は違います。
現場に着いたその日から、
「あ、ここはこういう文化なんだ」「あ、この人たちはこういう雰囲気なんだ」と、
自分で察知して合わせていく必要があります。
さらに厄介なのが、現場のルール・文化・雰囲気に合わせるという作業が、
思った以上に疲れるということです。
自分のペースで仕事をするのではなく、
常に『ここではどう振る舞うべきか』を考えながら動く。
これが毎日8時間、月20日以上続きます。
また、通勤時間の問題も大きく、往復で1時間半かかる現場なら、
月20日で月30時間以上が通勤に消えます。
これが積み重なると、心身に確実に影響します。
朝早く起きて、帰宅は夜遅い。
自分の時間が削られ、疲労が蓄積します。
そして、もう一つ見落としがちなのが外部の人間という扱いです。
現場によっては、ランチや休憩時間に声をかけてもらえず、
一人で過ごすことになります。
これが心理的に結構しんどくて、仕事の内容がどうこうではなく、
「ここに自分の居場所がない」という感覚が、
日々のストレスを増幅させます。
SES常駐がつらい理由②:評価が見えない・伝わらない
ここが、SES常駐のつらさの本質だと僕は思います。
現場プロパーが自身の評価を握っています。
でも、その評価が自身の所属営業に伝わるまでに、
かなりの時間がかかります。
さらに言えば、評価が曖昧なまま終わることも珍しくない。
現場プロパーのスタンスは「聞かれたら答える」が基本なので、
営業から「あの人どうですか?」と聞かれたら答えるけど、
自分から「あの人はこういう評価です」と報告することはない。
だから、自身が現場で何をやったか、どう評価されたかは、
営業が聞かない限り伝わらないです。
そして、ここが重要なポイントなんですが、
単価が上がるかどうかは
「現場評価」と「営業の交渉力」の両方に左右されます。
自分が現場で頑張ったとしても、
営業が「この人の単価を上げてほしい」と交渉しなければ、
単価は上がりません。
逆に、営業が交渉しても、現場評価が低ければ、単価は上がりません。
つまり、自身の努力だけでは確実ではないんです。
これが「つらい割に報われない」という感覚につながります。
給与に直結しない頑張りが続くと、モチベーションは確実に低下します。
「こんなに頑張ってるのに、給与に反映されない」という感覚が
日々のストレスになり、「常駐がつらい」という感情が強くなります。
これが、SES常駐がつらい理由の中で、最も根深い問題だと思います。
SES常駐がつらい理由③:現場を出たくても出られない心理
ここまで読んで
「だったら現場を変えればいいじゃん」と思うかもしれませんが、
そう簡単ではないです。
1年未満で現場を変えたいと言っても、
所属営業や商流上の会社から「納得感が薄い」と言われることが多いです。
理由はシステムを理解するのに3〜6ヶ月かかるからです。
その期間は、戦力になっていない状態が続きます。
だから、短期で抜けると戦力にならないまま終わった」という
後ろめたさが残ります。
さらに、現場・自社・商流上の会社全員に迷惑がかかるという
心理的プレッシャーがあります。
現場は「新しい人が来たのに、すぐ辞めちゃった」と感じ、
自社営業は「代替人材を用意しなきゃ」と動き、
商流上の会社も「また人が変わるのか」と感じる。
その全てが、自身の「短期退場」という決断の結果だと感じてしまう。
だから、つらくてももう少し頑張ろうと思ってしまう。
「3ヶ月頑張ったら、状況が変わるかもしれない」
「もう少し続けたら、評価が上がるかもしれない」と、
根拠のない期待を持ちながら、つらさに耐える。
これが、
SES常駐の「出たくても出られない」という心理を生み出しています。
ただし、ここで重要なのはハラスメント・炎上など、
明らかに問題がある場合は、すぐ抜けて良いということ。
1年は続けるべきというのは、あくまで通常の現場での話です。
パワハラ・セクハラ・プロジェクト炎上で心身が傷つく状況なら、
躊躇する必要はありません。
つらさを乗り越える現実的な対策:最初の3ヶ月を耐える
では、どう乗り越えるのか。まずは最初の3ヶ月を耐えることです。
環境適応のストレスは、3ヶ月で大幅に軽減されます。
これは、多くのエンジニアが経験していることで、
最初の1ヶ月は何もわからない、
2ヶ月目から少しわかってきた、
3ヶ月目にはここのやり方が見えてきた、という流れになります。
この3ヶ月が踏ん張りどころです。
まず、現場プロパーとの関係構築に時間をかけてください。
評価については聞かれたら答えるスタンスなので、
こちらから質問・報告・相談をして信頼を作る必要があります。
質問や相談を通じて、
この人は真摯に仕事に取り組んでいるという印象を与える。
これが、後々の評価につながります。
そして、1on1で所属営業に現場での頑張りを伝えてください。
営業は現場を見ていません。
だから、本人からの報告が、営業が単価交渉をする際の根拠になります。
「システムの理解が進んで、最近は自分で判断して動けるようになった」や
「現場から〇〇の業務を任されるようになった」という報告が、
営業の「この人の単価を上げてほしい」という交渉につながります。
3ヶ月後に続けるか変えるかを判断してください。
その時点で現場が合わないなら、
営業に「さらなるスキルアップのため別案件を」と伝れば、
営業も納得感を持ちやすくなります。
つらさを乗り越える現実的な対策:主体性を持つ
もう一つ、重要な対策として、主体性を持つことです。
言われたことだけやる人は評価されません。
「これはどうやるんですか」「こういう方法もありますか」という
質問をする姿勢が評価につながります。
なぜなら、仕事に真摯に向き合っている印象を与えるからです。
現場で何をやればいいか分かっていないという状態が続くと、
つらさが増します。
分からないことを分からないままにしていると、
仕事がつまらなくなり、
モチベーションが下がり、
「常駐がつらい」という感覚が強くなる。
だからこそ、分からないことは、分からないままにしない。
質問する、調べる、試す。この繰り返しが仕事を充実させます。
スキルシートに具体的に何をやったかを書くことも重要です。
「Java開発に携わった」ではなく、
「Javaで〇〇機能を開発し、テストまで担当した」という具体性が、
次の案件につながり、単価交渉の根拠になります。
そして、最終的には現場から
「直接契約しよう」と声がかかることもあります。
これは、主体性・当事者意識がある人に起こることであり、
最終的な単価アップにつながります。
つらさの本質は「続けることの価値が見えない」こと
SES常駐がつらい理由は、
短期的には給与に直結しない「頑張り」が多いからです。
だから「つらい割に報われない」と感じやすいけれど、
これは仕組みの問題であり、自身の問題ではありません。
でも、1年・2年と続けると、
スキルシート・経歴・現場での信頼が積み重なり、
単価が上がる確率が高まります。
最初は月50万円だった単価が、2年後には月65万円になる。
3年後には月80万円になる。
こういった積み重ねが、SES常駐の本当の価値です。
市場価値の本質は続けることです。
短期間での退場経歴を作ると、次の案件で不利になります。
「この人は、すぐ辞めちゃう人なのか」という
印象を与えてしまうからです。
逆に「この人は、どの現場でも1年以上続けている」という経歴があれば、
=信頼できるという印象につながります。
つらさを感じるのは正常なこと。
その中で「何を学ぶか」「どう工夫するか」を考える人が、
最終的に稼ぐ人になります。
まとめ
SES常駐がつらい理由は、
環境適応のストレス・評価の見えなさ・心理的プレッシャーの3つです。
これらは、仕組みの問題であり、自身の問題ではありません。
乗り越える方法はシンプルで、
最初の3ヶ月を耐ち、主体性を持って動く。
この2つでつらさは大幅に軽減されます。
そして、現場評価を営業に伝える・スキルシートに具体的に書く・営業に昇給を働きかける。
この3つが単価アップにつながり、つらさの報酬になります。
つらさの先に、確実な成長と給与アップがあります。
ここで積み上がる経験こそ、
あなたの市場価値を確かなものにしていきます。

