はじめに:その給料、本当に適正ですか?
「自分の単価は知っているけれど、なぜこの手取り額になるのか計算式がわからない」
「還元率80%と聞いて入社したのに、実際の手取りは思ったより少なかった」
SES業界で働くエンジニアの方から、こうした声をよく耳にします。
多くの企業において、給与決定のプロセスはブラックボックス化されています。会社がいくら抜き、何を経費として計上しているのか、社員には知らされないことが一般的です。
今回は、LEGAREAの給与ルールである「還元率75%」の中身と、定義が曖昧になりがちな「原価」の考え方について、実際の数字を使って包み隠さず公開したいと思います。
1. LEGAREAの基本ルール「単価の75%があなたの枠」
LEGAREAの給与システムに、複雑な評価テーブルや、上司の主観的な査定は存在しません。あるのは、極めてシンプルな一つの計算式だけです。
- エンジニア還元枠(原価):単価の75%
- 会社利益・運営費:単価の25%
この比率は、原則としてすべてのエンジニアに一律で適用されます。
新入社員だろうが、ベテランだろうが、このルールは変わりません。あなたが現場で評価され、単価が上がれば、その分だけダイレクトに「75%の枠」が広がり、給与が上がります。
会社は一律25%の運営費だけをいただき、残りの75%はすべてエンジニアのために使います。ここには「使途不明金」や「隠れコスト」は一切存在しません。
2. LEGAREA流「原価」の定義
「還元率」という言葉は、実は非常に曖昧(あいまい)です。極端な話、定義次第で「還元率100%」と謳うことさえできてしまいます。
例えば、有給休暇の付与を金額換算して還元に含めたり、「将来のための投資」と称して使途不明な積立金を原価に計上したりすれば、見かけ上の数字はいくらでも操作可能です。 だからこそ、エンジニアが真に見るべきは「還元率○%」という表面的な数字ではありません。その数字の根拠となる「原価」の中身に、何が含まれているかを知ることこそが本質なのです。
ブラックボックス化された「原価」の正体
多くのSES企業では、この「原価(エンジニアにかかるコスト)」がブラックボックス化されており、本来エンジニア個人のコストではない費用まで混ぜ込まれていることが少なくありません。
- × オフィス家賃
- × 営業担当の人件費
- × 社内イベント費・交際費
- × 採用コスト
- × 会社の備品代
これらを「エンジニアの原価」として計上して差し引けば、会社は見かけの還元率を高く維持しながら、しっかり利益を確保できます。しかしそのしわ寄せは、あなたの手取り給与が低くなるという形で現れます。
LEGAREAの「原価」は3つだけ
対して、LEGAREAは「原価の中身」を完全にガラス張りにしています。私たちが定義する「75%の還元枠」に含まれるのは、正真正銘、あなた個人に直接紐づく経費のみです。
- あなたの基本給
- 法定福利費(社会保険料の会社負担分)
- 交通費・諸経費
オフィスの家賃や営業マンの給料を、あなたの75%の枠から引くことは絶対にありません(それは会社の取り分である25%の中から支払います)。 この原価定義のクリーンさこそが、同じような還元率を謳う他社と比べても、LEGAREAの給与水準が高くなる最大の理由です。
3. 【実例シミュレーション】単価65万円の場合、月給はいくらになる?
では、論より証拠ということで、実際の数字で計算してみましょう。
ここに、月単価65万円の案件に参画するエンジニアAさんがいると仮定します。
ステップ①:還元枠(総支給予算)を出す
まずは、Aさんのために使えるお金の総額を算出します。
650,000円(単価) × 75% = 487,500円
この487,500円が、会社がAさん個人に対して支払うコストの上限(予算)となります。
ステップ②:ここから「給与」と「必要経費」を割り振る
この48万7500円の予算枠の中に、「基本給」「社会保険料(会社負担)」「交通費」をパズルのように当てはめていきます。
社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)は、従業員と会社が折半して国に納めます。給与額に応じて変動しますが、約15%程度が会社負担分として発生します。
【単価65万円の内訳図】
| 項目 | 金額 | 解説 |
| 【A】還元対象総額(75%) | 487,500円 | これが取り分総額 |
| 【B】事業者負担計 | 470,178円 | 基本給 + 会社負担社保の合計 |
| ┗ (内) あなたの月額基本給 | 406,000円 | ★毎月の額面給与 |
| ┗ (内) 会社負担社保 | 約64,178円 | 会社が国に納める保険料 |
| 【C】残金(経費枠) | 17,322円 | 交通費や諸経費に充当 |
結論
単価65万円の場合、月額の基本給は406,000円となります。
これに別途、残金枠から交通費(定期代など)が支払われます。
もし単価が5万円アップして70万円になれば、75%の枠が「37,500円」増えます。その増えた分は、また同じ計算式で基本給に上乗せされます。
誰かに交渉する必要はありません。単価が上がれば、自動的に給与明細の数字が変わる。これがLEGAREAのシステムです。
4. なぜ「賞与なし(年俸制)」にこだわるのか?
LEGAREAの給与体系には「賞与(ボーナス)」がありません。その代わり、毎月の基本給を限界まで高く設定(年俸制)しています。
「ボーナスがないのは損だ」と感じる方もいるかもしれませんが、私たちは逆だと考えています。
エンジニアにとっての「年俸制」4つのメリット
賞与の「不確実性」を排除するため
一般的な賞与はあくまで「業績連動」です。会社の決算が赤字であればカットされるリスクがありますし、経営者のさじ加減一つで支給額が変わる、いわば会社都合の「調整弁」に過ぎません。 対して月給は、労働契約で守られた「確定した権利」です。会社の業績が良い時も悪い時も、約束された金額を100%支払うこと。この「確実性」を担保することこそが、従業員の生活を預かる企業としての誠実さだと考えています。
キャッシュフローの最大化
多くの会社は、基本給を低く抑え(例:基本給20万)、夏冬の賞与で年収を調整します。しかし、住宅ローンや家賃、日々の生活費は「毎月」発生します。会社にお金をプール(預金)させず、稼いだその月に最大額を受け取る方が、生活の自由度は圧倒的に高くなります。
退職時のリスク回避
賞与は「支給日に在籍していること」が条件になるケースが多く、転職のタイミングによっては「半年働いた分の賞与がもらえない」という損が発生します。月給で全額受け取っていれば、いつどんなタイミングでキャリアチェンジしても、働き損になることはありません。
ローンの審査に強い
住宅ローン等の審査では、「安定した月収」が重視される傾向があります。ボーナス払いに頼らない返済計画が立てられるため、社会的な信用力も確保しやすくなります。
5. 会社が受け取る「25%」は何に使われているのか?
最後に、会社が受け取る「25%」についても説明します。
「25%も抜くのか」と思われるかもしれませんが、この中には会社運営に必要なすべてのコストが含まれています。これでも最大限譲歩した結果で、お許しくださいませ。
営業担当の人件費・活動費
単価を5万、10万と上げるための交渉や、新規案件の獲得、トラブル対応を行うプロの営業部隊のコストです。
バックオフィス費用(法務・労務・経理)
契約書のリーガルチェック、税理士・社労士への報酬、社会保険の手続きなど、組織運営に必要な専門家コストです。 エンジニアが契約トラブルや事務作業に煩わされることなく、開発業務だけに100%集中できるよう、会社が法務・労務の両面から守りを固めるための費用です。
待機時の給与保証リスク(内部留保)
万が一、案件と案件の間に空白期間(待機)ができてしまった場合、当然ながらその月の売上はゼロになります。 しかし、LEGAREAは雇用主としてエンジニアの生活を守る義務があります。そのため、待機期間中であっても基本給の6割を休業手当として支給し続けます。 フリーランスであれば収入が完全にストップする局面でも、会社は身銭を切って給与を払い続けなければなりません。この「売上がないのに給与を払う」という赤字リスクを会社が負い、雇用の安定を維持するための原資(保険料)も、この25%の中に含まれています。
教育・採用コスト
LEGAREAという企業の「ブランド力」を高めるための投資です。 優秀な仲間が増え、会社の知名度が上がれば、より条件の良い案件が入りやすくなり、結果として既存社員の単価アップやキャリアの選択肢拡大にも還元されます。
私たちは、この「25%」を単なる会社の利益として懐に入れているわけではありません。これは「エンジニアが業務に専念できる環境を維持するための運営費」です。
エンジニアは技術を提供し、会社は「営業・交渉・管理」のプロとしてビジネス面を全て引き受ける。 この明確な役割分担の対価が25%であり、それに見合う高単価案件の獲得や、組織としての安定性を提供し続けることが、LEGAREAの義務だと考えています。
まとめ:自分の市場価値を「数字」で確かめよう
株式会社LEGAREAの給与システムには、1ミリの曖昧さもありません。
「単価 × 75%」。 このシンプルなルールさえ知っていれば、電卓ひとつで、あなたの年収は1円単位まで正確に計算できます。そこに、会社の都合による調整や、不明瞭なブラックボックスは存在しません。
「今の現場の単価だと、LEGAREAなら月給いくらになるんだろう?」 「今の会社の給料は、適正な分配率になっているだろうか?」
もし少しでも疑問を感じたのなら、ぜひ一度ご自身の単価で計算してみてください。 そして、弾き出されたその数字が、今の待遇よりも魅力的であれば、一度私たちとお話ししませんか?
私たちは、無理なアットホーム感や、やりがいという言葉で給与の安さを誤魔化すようなことはしません。 もちろん、組織としての交流は大切にしていますが、それはあくまで「エンジニアの価値を正当に評価し、適正な対価を支払う」という大前提があってこそ成り立つものだと考えています。
お金のことに関しては、どの会社よりも真摯に、そして徹底的にドライに。 それがプロフェッショナルであるあなたに対する、LEGAREA流の誠意です。
転職するかどうかはまだ決めていなくて構いません。 まずは今のあなたの市場価値と、私たちが提示できる金額の答え合わせをしに来てください。
あなたからのエントリーを心よりお待ちしています。

