こんにちは、株式会社LEGAREA代表の三坂です。
最近、SESの営業はいらない時代が来るのか・・・？なんて声を聞くようになりました。
マッチングサイト、AIエージェント、スカウト自動化ツール──
どれも便利だし、僕も経営者としてそうした仕組みがあってもいいのかなと全く思わないわけではないです。
でも、ひとつだけ思うことがあります。
仕組みがどれだけ進化しても、SES営業は人であるべきだと個人的には考えています。
営業という仕事がなくてもSESという仕組みは回るかもしれない。
けれど、エンジニアが安心して働ける環境という意味では、営業はまだ必要だと思っています。
今日は、そんなテーマについて、
少しリアルな視点で話してみようと思います。
① 提案力：AIにはできない文脈の理解
営業が単に案件をつなぐだけの仕事なら、いずれAIに置き換わると思います。
でも、営業の本質はこのエンジニアがこの案件でどう輝けるかを考えること。
同じスキルセットを持つエンジニアでも、
前職でのプロジェクトの流れ、得意なフェーズ、人との相性、
そうした細部の文脈を理解して提案できるのは、人しかいません。
僕が営業をやっていた頃、
単価が少し高い案件より、その人が活きる現場を選んで提案したことが何度もあります。
結果的にその方が、エンジニア本人も伸びたし、クライアントの満足度も上がった。
営業の仕事は誰をどこに入れるかではなく、
なぜその人をそこに送るのかを考えること。
このなぜを考えられるのが、人である営業の強みだと思っています。
② 無音のSOSを拾うことができる存在
SESの現場で働くエンジニアは、多かれ少なかれ孤独と向き合っています。
Slackで会話していても、実際には相談できる相手がいない。
些細なストレスや違和感は、誰にも気づかれないまま溜まっていく。
僕は営業時代、何度もあの一言で救われましたと言われたことがあります。
何か大きなことをしたわけじゃない。
ただ、最近どう？WEBで話そう！少し飲み行こうか！と聞いただけ。
でもその一言で、
話を聞いてもらえる人がいると感じてもらえたなら、
それが営業の意味だと思うんです。
AIがどれだけ発達しても、声のトーン”や言葉の間にある不安までは拾えません。
人は、表情や呼吸の乱れ、返信の遅さで相手の心を察するものです。
SES営業は、そうした無音のSOSを拾う現場のセンサーのような存在なんだと思います。
③ キャリア支援：市場価値を行動で導ける人
エンジニアの多くは、自分の市場価値を正しく理解できていません。SNSで情報は溢れているけれど、
自分が何をすれば次の単価が上がるのかまでは、誰も教えてくれない。
僕はいつも思うんです。
SES営業こそ、エンジニアのキャリアアドバイザーであるべきだと。
たとえば、
今の案件では技術が伸びているけど、チーム設計の経験が足りないとか、
次はBtoCの現場でユーザー理解を深めようとか。
そうした具体的なアドバイスができるのは、現場を知っている営業だけです。
キャリアとは、勉強ではなく選択の連続です。
営業がエンジニアの選択の軸を一緒に作れるなら、それはAIには絶対に真似できない仕事だと思っています。
④ 営業が人である意味は、温度を持って考えられること
AIの精度が上がれば、案件マッチングも、スキル分析も、履歴管理も自動でできます。
でも、人の人生を預かる重みまでは引き受けられません。
営業という仕事には、温度があります。エンジニアの努力を間近で見て、現場のストレスを理解して、
ときに経営と現場の間で板挟みになりながらも、人としてどうするのが正解かを考える仕事です。
それは非効率で、泥臭くて、AIには向かない仕事かもしれません。
でも、だからこそ人である意味が残る。
営業が人である理由は、仕組みを回すためじゃなく、
人の努力を見落とさないために存在しているのだと思います。
⑤ 最後に
AIが台頭し、効率化が進み、
人が介在しないSESが現実になりつつある中で、僕はあえてこう言いたいです。
営業は、いらなくならない。
少なくとも人の努力と希望を理解したいと思う限り、営業は人であるべきだと思います。
SESの営業が担うのは、
案件をつなぐことではなく人をつなぐこと。
そのつながりの中で、人が成長し、会社が信頼を積み重ねていく。
それが、営業という仕事の原点であり、
LEGAREAがこれからも大切にしていきたい考え方です。
